グループホームとは、認知症の利用者様と生活を共にし、楽しく過ごしながら生活の質を向上させる施設のことです。

グループホームとは?

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 グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症になられた利用者様と共同生活を通して、毎日を楽しく・有意義なものと成る様にお手伝いをさせていただく施設のことです。
 一緒に料理や買い物に出かけたり、アットホームな雰囲気の中で、楽しい催し物を楽しんだり、笑ったり、歌を歌ったりと言った生活を送ることで、その方の生活の質の向上を図ります。また、その一方では、その方の生活リズムも大切にしながら、心身の安静と健康を保つ施設でもあります。

 私達は常に「利用者様がいかに毎日を楽しく・穏やかに過ごすことができるか。」をテーマに、その方に関わる全てのスタッフの力を総動員してケアに繋げる施設を目指します。
 
 以下に、認知症になられた方への介護のポイントを4つ挙げてみます。
*皆さん、ポイントをつかんで正しい介護を実践して行きましょう!

認知症介護のポイント(1)

【気持ちを理解する】
 認知症はすべてが同時に分からなく成る訳ではありません。認知症の個人の進行状態にもよりますが、自分が何処にいるか、目の前の物が分から無くなっても、分からない事への恐怖や、今まで出来ていたのに出来なく成った事の不安は、認知症を発症した、ご本人が最も強く感じています。
そんな感情を持ちながら介護を受けると、「家族の手を煩わせるのは申し訳ない」「自分は何の役にも立てない」と言った更なる不安や恐怖に繋がり、BPSD(行動心理症状)「強い不安・混乱・自尊心の低下等」を助長させることにも成ります。
 同じ状況ならどう感じるか、どんな気持ちになるか、認知症を発症した本人の「気持ちに寄り添って」「その方の気持ちに成って」コミュニケーションをとってみましょう。

認知症介護のポイント(2)

【信頼関係を築く】
 普段接する時はもちろん、介護をする・される上で信頼関係を築くことはとても重要です。特に家族の場合など。失敗した場合等、安易に「叱責してしまう」事も有るかも知れません。認知症を発症しても特に「羞恥心やプライド」は残っています。「怒られたり無視される」事でストレスが溜まり、BPSD(行動心理症状)「強い不安・混乱・自尊心の低下等」が悪化する事が有ります。「失敗しても否定したり叱ったりせず、不安になるような話し方や行動は極力避けましょう。」その上で、本人が心からくつろげる環境を整えたり、喜びや安心につながるコミュニケーションをとるなど、「焦らずゆっくり信頼関係を築きましょう。」

認知症介護のポイント(3)

【ペースに合わせる】
 認知症を発症すると、中核障害(記憶・見当識障害、理解・判断力低下、実行・言語障害、失行・失認等)の影響でさまざまなことができなくなったり、動作が遅くなったりします。行動が遅いと「私がやった方が早い」と手を出してしまいがちですが、本人にも自尊心やプライドがあります。
「自分でできることは自分でやってもらう。」本人のやる気や動作に合わせて行動するなど、「なるべく本人のペースに合わせましょう。」
また、認知症の症状によっては出来事自体を忘れてしまうことがあります。そんな時は問いつめたり、無理に思いださせる必要はありません。」「深く追求せずに話を合わせるのも大切です。」

認知症介護のポイント(4)

【環境の変化を最小限にする】
 認知症にとって環境の変化は、BPSD(行動心理症状)「強い不安・混乱・自尊心の低下等」を悪化させる大きな要因です。
認知症を発症した方は環境の変化に非常に敏感です。周囲に何らかの変化があると、それだけで大きなストレスを感じます。そして、ストレスや不安といったマイナスの感情は、BPSDを悪化させる大きな原因の一つです。
そのため、「習慣や日課の変更、部屋の模様替えなどはできるだけ避けましょう。」引っ越しや入居などでやむを得ず環境が変わる場合は、「使い慣れた小物や家具を使って安心できる環境を整えてあげるのが大切です。」